NPO法人の設立や運営にあたっては、様々な実務上の課題に直面することがあります。そこで、この記事では、NPO法人の設立や運営に関わる方々が知っておくべき実務上の知識を紹介します。

NPO法人の設立

NPO法人を設立するにあたっては、定款等の必要書類の作成や設立総会の開催などの他、都道府県または政令指定都市による認証が必要です。

申請から認証までには4ヶ月ほど時間がかかりますので、これからNPO法人を設立される方はスケジュールにご注意ください。

また、認証を受けた後は2週間以内に、事務所の所在地を管轄する法務局で設立登記を行わなければなりません。認証後6ヶ月間以上登記を行わない場合は認証取り消しもありえますので、早めに登記は済ませておきましょう。

NPO法人の運営

NPO法人の運営にあたって問題になりやすいトピックスとして、ここでは乗っ取り対策と社員総会、理事会について取り上げます。

・乗っ取り対策

NPO法人の運営に関わる社員(正会員)の入会は、原則自由です。したがって、資格や性別、住所など入会に何らかの条件を付したり、入会を拒んだりすることは、正当な理由がない限り許されません。

もし団体の乗っ取り防止などの目的で会員資格に制限をかけたいと思っている人は、別の手段を考える必要があります。こうした乗っ取り防止策には、入会にあたって厳格な手続要件を課す、入会金や会費を妥当な範囲で低額ではない金額に設定する、といった方法があります。

・社員総会

社員総会は、NPO法人における最高意思決定機関です。NPO法人では、最低でも年に1回は総会を開催することが義務付けられています(NPO法14条の2)

・理事会

理事はNPO法人の業務につき、他の社員から業務遂行を委任された役員で、NPO法人を代表し、また定款で定められた範囲で内部の業務を執行する権限を有しています。

また、NPO法人を設立する際には理事を3人以上置くこと、NPO法人の業務については原則として理事の過半数を持って決するとされていることから、理事会を設置するのが一般的です。理事会の開催頻度については特に規定は設けられませんが、ガバナンスの観点からは他の一般社団法人等と同じく、3ヶ月に1回以上の開催が望ましいといえます。

NPO法人の法務

NPO法人の実務においては、各種契約書の作成、職員の労務管理など、法的な知識を求められる業務も発生します。

また、不祥事が起きた時の対策などについても普段から備えておかなければなりません。

こうした法的リスクに対処するためには、普段から民法や労働法、NPO法など各種法令を遵守した運営を心がけ、また不正が起きにくい組織づくりが不可欠です。

時に弁護士のアドバイスも活用しながら、法務関係の業務についても適切に処理していく必要があります。

NPO法人の税務

NPO法人であっても、税法上の収益事業(物品販売、出版など)については法人税等の税金が課されます。もし事業が赤字で実際に課せられる税金がなかったとしても、確定申告は必要です。

また、収益事業を行っていない場合であっても、消費税や印紙税、固定資産税などが課される場合もあります。

NPO法人支援は弁護士などの専門家に

NPO法人の設立や運営に関しては、法務や税務のような専門家の知見が求められる分野の仕事もあります。適切な組織運営を行うためにも、もし何か困ったことなどがありましたら、一度弁護士に相談されることをおすすめします。

お問い合わせContact us

企業のための法律相談お問合わせ
まずはお気軽に、お電話または
フォームよりお問い合わせください。

052-232-1385052-232-1385

お問い合わせお問い合わせ

電話受付時間 平日9:00〜18:00