企業が行う資金調達の方法にはいくつか種類があり、それぞれ性質や適用される法律も変わってきます。

この記事では、代表的な資金調達の方法やそれぞれのポイントについて解説します。

資金調達の方法

会社が資金調達のためにとれる手段は銀行などからの融資の他、株式や社債の発行、ファクタリング、クラウドファンディングなど多岐にわたります。

これらの方法に関連する各種法律も関わってきますので、実際の実施にあたっては法的な観点からのアドバイスが必要です。

種類株式のポイント

種類株式とは、会社法108条に基づき、内容の異なる複数の株式を発行した場合の各株式のことをいいます。種類株式の特徴は、配当金や議決権の内容について普通株式とは異なる定めをすることが認められていることです。会社法では全部で9種類の種類株式が明文で規定されており、またこれらを柔軟に組み合わせることも可能となっています。

種類株式のポイントは、自社にとって最適な種類株式の設計を考えることです。複数の種類株式を組み合わせれば、資金調達をしながら自社にとって最適な仕組みを作ることができます。例えば、投資家から多額の出資を受ける場合、普通株式を譲渡してしまうと経営者の持株比率が低下して経営権が不安定になります。このようなケースでは、議決権がない代わりに高配当を行う株式(議決権制限株式・配当優先株式)を発行することで、投資家から資金調達をしながら、経営権を安定させることが可能です。

ストックオプションのポイント

人材を採用する際、インセンティブとしてストックオプション(自社株をあらかじめ定められた価格で取得できる権利)を発行する場合があります。

ストックオプションをインセンティブとして活用するためには、自社にとって不利益にならないような制度設計を考える必要があります。具体的には、在職中しか行使できないなど行使条件を決める、税制適格ストックオプションとして発行するといった点がポイントになります。

社債・私募債のポイント

社債・私募債は長期かつ多額の資金調達において使われる方法です。

募集株式とは違って株式会社以外の会社でも発行可能なことから、企業の資金調達方法として注目されています。

社債・私募債の発行に関しては、発行条件の確認、適切な募集要項の作成といった点がポイントになります。

会社法の適用を受けますので、実際の発行手続きにあたっては弁護士のサポートが不可欠です。

クラウドファンディングによる調達

近年、クラウドファンディングによる資金調達も注目されています。クラウドファンディングの特徴は、利用しようとしているクラウドファンディング業者やクラウドファンディングのタイプ(出資者へのリターンの種類)などによって、適用される法律が変わってくることです。

例えば、集めた資金によって開発した商品・サービスを出資者にリターンする「購入型」のクラウドファンディングでは、プロジェクト実施側は特定商取引法や消費者保護法の適用を受けます。

したがって、クラウドファンディングで資金調達をする場合には、プロジェクト内容や利用予定のクラウドファンディング業者の種類を意識し、適用される法律にも配慮してプロジェクトを進めるのがポイントとなります。

資金調達のサポートは弁護士に

資金調達の分野で弁護士にできるサポートの形は無数にあります。資金調達の方法で悩んだら、一度ご相談ください。

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